原稿への、漫画家と編集さんの温度差
2004年1月14日 初めてお仕事する担当さんに申し入れました。
「あなたとは無関係なお話ですが、以前御社でお仕事した時の私の原稿は紛失しました。
なので、印刷が終わったら原稿は返却して下さい。」
原稿がなくなったのは、本当に昔。
96〜97年くらいに4〜5回とある雑誌の増刊号で描かせていただいた。
しばらくして、1作をのぞいて原稿が返却されてきた。
1作だけ返却されなかったけど、再録にでも使ってもらえるのかな?とあまり気にはしていなかった。
またしばらくして、その会社の担当さんから
福岡消印の出産しました葉書が届いた。
私の担当さんは出版社をやめていたのだ。
原稿が返却されたのは、退社するにあたって担当していた漫画家に原稿返却してくれたのだろう。
では、返却されていない残り1作は?
私はその雑誌本誌に投稿していたので、ネームを見て下さっていた編集さんに「原稿を返して欲しい」と連絡しました。
担当さんが退社していたので、投稿時にネームを見てくれていた編集さんしかツテがなかった。
その編集さんからの返事は
「あなたの原稿はうちの会社にはありません」
でした。
がひょん。
ど、どこにいったの、私の原稿!
しくしくしく。
いや、そこまで大事な原稿でもなかったけど。
やっぱり原稿にも自分で凄く気にいってるのもあれば、なくなってもいいやーってのもあるから。
その無くなった1本は後者だったので、編集さんから原稿はないと返事をもらっても、ちぇーくらいにしか思わなかった。
今もそんなに惜しくない。
担当さんの退社のごたごたで紛失したんだから、シュレッダーにでもかかったんだろう。
だけど、やっぱり、私にとってはその会社は
「原稿が無くなった所」なのよ。
仕事を受ける事はあっても、原稿を長期にわたって預ける気にはなれない。
だって、また編集さんが移動したり退社したりしたら、どうすりゃいいのよ。
初めてお仕事する担当さんは、最近担当替えで担当になった方で、年令も在社年数も知らないのに。
「あなたの原稿はうちの会社にありません」
って言われたら、どうしようもないのよ。
本当に、どうしようもないのよ?
ものすっごい人気漫画家のナマ原稿だって、出版社がうっかり紛失するのが漫画業界なのよ?
最近、漫画家のナマ原稿を無断で売却した編集の事件がクローズアップされている。
悪意でそんな事する人はめったにいないと思う。
けど、ついうっかり原稿を無くす編集さんって、たぶん編集さんが思ってるよりは多いんじゃないかなあ・・・。
アシスタントをしてた頃の漫画家さんはかなり無くされていたから。
10年漫画家やってて、一枚の原稿も編集サイドのミスで無くなった事のない漫画家さんっているのかなあ?
漫画家が自分の原稿を守りたいと思う心はわかって欲しい。
後に描く原稿のほうがどれほど完成度が高くても、以前描いた原稿は、その時にしか描けなかったものなのだから。
「なので、取りあえず原稿は返して下さい。
再録に必要な時は連絡していただければ再送いたします。」
すっごい、あったり前の事言ってると思うんだけど。
だって、昔原稿無くされてるのに、お仕事お受けしたんだよ?
再録の時はまた送るんだよ?
なのに、担当さんは言うのよ
「信用していただいて、原稿は預けていただきたい」
・・・・・・・・・。
そりゃあ、これから何回もお仕事して、担当さんへの信頼も高まってからなら、また話は違うと思うの。
でも、私達これが最初のお仕事じゃないですか。
私達の間には信頼の「し」の字も産まれていないじゃないですか。
そして、現実、私の原稿は紛失されているではないですか。
なのに、原稿を無くした会社の編集さんが原稿を無くされた漫画家に
「信用して原稿を預けろ」
と、言うのか・・・。
こないだ借りた10万返してないけど、また10万貸してくれる?っていうのと、同じくらいに私は感じるんだけど。
結局「上司と相談の末」原稿は返却してもらえる事に落ち着きました。
実は、これは私にはあまり良い話じゃない。
だって、原稿を返してもらってしまったら、再録に使ってもらえるかどうかわからない。
編集さんにしてみれば、作家に連絡して取り戻さなくてはならない原稿よりは、会社に置いてある原稿の方が再録するには楽だもの。
再録してもらえれば、また読者さんに読んでいただける。
再録原稿料の収入にもなる。
再録してもらえるかもしれない原稿を取り返すのは、漫画家に得な話じゃない。
だけど、私は原稿を返してほしい。
原稿が無くなるのは、再録されないよりも恐い事だから。
上司と言う人は、わりと簡単に返却を承諾したようなので、漫画家の原稿への愛着にそれなり理解があるのかな。
「原稿が無くなるのが恐いから、印刷が終わったら原稿を返してほしい」
全ての編集さんが、漫画家のこの希望を当然として受け止めてくれる日が来るといいなと思う。
その前に、パソコン作画が普及してみんな手元にデータ保存する日の方が来るの早いかもしれんが。
じっさい、つきあいの長い安心しきった編集さんには、原稿預けっぱなしだもん。
「預けてある原稿はいつ使われていつ収入になるか、わからない。
原稿再録は作者に無断で行われるので、収入の予定なんかたたない」
と言ったら税理士さんにも困った顔をされたけど。
それくらい、信頼関係ができるといいですねえ、初めて担当さん。
それまでは、どうか原稿は御返却下さいね。
「あなたとは無関係なお話ですが、以前御社でお仕事した時の私の原稿は紛失しました。
なので、印刷が終わったら原稿は返却して下さい。」
原稿がなくなったのは、本当に昔。
96〜97年くらいに4〜5回とある雑誌の増刊号で描かせていただいた。
しばらくして、1作をのぞいて原稿が返却されてきた。
1作だけ返却されなかったけど、再録にでも使ってもらえるのかな?とあまり気にはしていなかった。
またしばらくして、その会社の担当さんから
福岡消印の出産しました葉書が届いた。
私の担当さんは出版社をやめていたのだ。
原稿が返却されたのは、退社するにあたって担当していた漫画家に原稿返却してくれたのだろう。
では、返却されていない残り1作は?
私はその雑誌本誌に投稿していたので、ネームを見て下さっていた編集さんに「原稿を返して欲しい」と連絡しました。
担当さんが退社していたので、投稿時にネームを見てくれていた編集さんしかツテがなかった。
その編集さんからの返事は
「あなたの原稿はうちの会社にはありません」
でした。
がひょん。
ど、どこにいったの、私の原稿!
しくしくしく。
いや、そこまで大事な原稿でもなかったけど。
やっぱり原稿にも自分で凄く気にいってるのもあれば、なくなってもいいやーってのもあるから。
その無くなった1本は後者だったので、編集さんから原稿はないと返事をもらっても、ちぇーくらいにしか思わなかった。
今もそんなに惜しくない。
担当さんの退社のごたごたで紛失したんだから、シュレッダーにでもかかったんだろう。
だけど、やっぱり、私にとってはその会社は
「原稿が無くなった所」なのよ。
仕事を受ける事はあっても、原稿を長期にわたって預ける気にはなれない。
だって、また編集さんが移動したり退社したりしたら、どうすりゃいいのよ。
初めてお仕事する担当さんは、最近担当替えで担当になった方で、年令も在社年数も知らないのに。
「あなたの原稿はうちの会社にありません」
って言われたら、どうしようもないのよ。
本当に、どうしようもないのよ?
ものすっごい人気漫画家のナマ原稿だって、出版社がうっかり紛失するのが漫画業界なのよ?
最近、漫画家のナマ原稿を無断で売却した編集の事件がクローズアップされている。
悪意でそんな事する人はめったにいないと思う。
けど、ついうっかり原稿を無くす編集さんって、たぶん編集さんが思ってるよりは多いんじゃないかなあ・・・。
アシスタントをしてた頃の漫画家さんはかなり無くされていたから。
10年漫画家やってて、一枚の原稿も編集サイドのミスで無くなった事のない漫画家さんっているのかなあ?
漫画家が自分の原稿を守りたいと思う心はわかって欲しい。
後に描く原稿のほうがどれほど完成度が高くても、以前描いた原稿は、その時にしか描けなかったものなのだから。
「なので、取りあえず原稿は返して下さい。
再録に必要な時は連絡していただければ再送いたします。」
すっごい、あったり前の事言ってると思うんだけど。
だって、昔原稿無くされてるのに、お仕事お受けしたんだよ?
再録の時はまた送るんだよ?
なのに、担当さんは言うのよ
「信用していただいて、原稿は預けていただきたい」
・・・・・・・・・。
そりゃあ、これから何回もお仕事して、担当さんへの信頼も高まってからなら、また話は違うと思うの。
でも、私達これが最初のお仕事じゃないですか。
私達の間には信頼の「し」の字も産まれていないじゃないですか。
そして、現実、私の原稿は紛失されているではないですか。
なのに、原稿を無くした会社の編集さんが原稿を無くされた漫画家に
「信用して原稿を預けろ」
と、言うのか・・・。
こないだ借りた10万返してないけど、また10万貸してくれる?っていうのと、同じくらいに私は感じるんだけど。
結局「上司と相談の末」原稿は返却してもらえる事に落ち着きました。
実は、これは私にはあまり良い話じゃない。
だって、原稿を返してもらってしまったら、再録に使ってもらえるかどうかわからない。
編集さんにしてみれば、作家に連絡して取り戻さなくてはならない原稿よりは、会社に置いてある原稿の方が再録するには楽だもの。
再録してもらえれば、また読者さんに読んでいただける。
再録原稿料の収入にもなる。
再録してもらえるかもしれない原稿を取り返すのは、漫画家に得な話じゃない。
だけど、私は原稿を返してほしい。
原稿が無くなるのは、再録されないよりも恐い事だから。
上司と言う人は、わりと簡単に返却を承諾したようなので、漫画家の原稿への愛着にそれなり理解があるのかな。
「原稿が無くなるのが恐いから、印刷が終わったら原稿を返してほしい」
全ての編集さんが、漫画家のこの希望を当然として受け止めてくれる日が来るといいなと思う。
その前に、パソコン作画が普及してみんな手元にデータ保存する日の方が来るの早いかもしれんが。
じっさい、つきあいの長い安心しきった編集さんには、原稿預けっぱなしだもん。
「預けてある原稿はいつ使われていつ収入になるか、わからない。
原稿再録は作者に無断で行われるので、収入の予定なんかたたない」
と言ったら税理士さんにも困った顔をされたけど。
それくらい、信頼関係ができるといいですねえ、初めて担当さん。
それまでは、どうか原稿は御返却下さいね。
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