私はこの作品で期待を裏切られた場面があるの。
 きっと腐女子ならば、みんなが
「そうか、そうくるか。
 おっしゃ、ばっちこーい
 かっっもお〜〜ん!」
 と思う場面。

 ・・・違ったの・・・。
 違ってたわ・・・・。

 その悲しみをここに書き列ねちゃうのってどうかしら。
 腐れたお友達のわずかな楽しみを奪ってしまわないといいんだけれど。

 主人公は船頭の八五郎。
 彼の家には気弱な貧乏神が取り付いてます。
 男前な八五郎は貧乏神がいても追い出しません。
 貧ちゃんと呼んで仲良く同居のかまえ。
 貧ちゃんも八五郎に貢いでます。
 貧ちゃん、いい感じのヘタレ受です。
 押し倒されたら、取りあえず抵抗するのも相手に悪いような気がして押し倒されそうな受君です。

 貧ちゃんは言うのです。
 一人で淋しいと。
 神様の世界でも夫婦はあるけれど、女神なんてお方は貧ちゃんには高嶺の花。
「結婚できたら福の神になれるのに」
 悲しみ歌う貧ちゃんに、男前八五郎は両手広げて
「さ、こーい!」
 の姿勢を取るのです。
 そうか、そうきたか。
 一人が淋しい貧ちゃん。
 結婚さえできれば福の神になれる貧ちゃん。

 八五郎、あんたマブダチ貧ちゃんのために、性別もいとわず貧ちゃんを嫁にしてあげるのね!?

 きゃー!(歓声)

 って、思ったんだよ・・・。
 思うだろう、なあ。
 だって、谷正純だよ。
 親友が結婚したいって泣いてたら
「俺でよければ!」
 って、言い出しそうじゃん。
 性別無視して。

 なのにさー。

 二人とも、それぞれ別に嫁取りやがったよ。

 ち。

 酷いわ、谷先生。
 私をこんなに期待させておいて。
 ぐちぐち。
(これを世間では逆恨みと言います)

 まあ、私の期待は裏切れてしまってますが、それでも腐女子として楽しめます。

 八五郎と貧ちゃん、あれ、その内絶対行き着くところに行き着くよ!
 期待!

 たぶん、働かなくて何度も嫁に逃げられてる八五郎は遠からず延陽伯にも逃げられる事だろう。
 そんな八五郎を貧ちゃんはせっせと世話する事だろう。
 そしたら貧ちゃん妻の小糸はどう思う?
 八五郎激ラブで、八五郎の世話を焼く貧ちゃん。
 そもそも幽霊の小糸は下半身がないって設定で、貧ちゃんとそういう事はできないんだろうし。
 そんで、幽霊だから夜しかあらわれる事ができなくて、昼に夫が浮気してても阻止できないわけだし。
「あなたは私と八五郎さんと、どっちが大事なの!?」
 って小糸が聞いたら、どうなるよ。
 そんなの、八五郎に決まってるわけだし!
 だって、谷芝居よ?
 妻と親友だったら、親友の方が大事に決まってるじゃないですか。

 ああ、いや、小糸の器が大きくて貧ちゃんと八五郎が出来ちゃってても気にしないってのもアリかな。

 もう、そうなったら、どうよ。

 八五郎と貧ちゃんのうきうき新婚ライフに決まってるんじゃん。

 ああ、考えるだに楽しいわあ。

 ええ、いけてます。

 腐女子ニーズを満たしてますよ、谷先生!
 素敵です、谷先生!
 谷先生は腐女子ニーズではなく男の友情ニーズを満たしてるおつもりなんでしょうが、大丈夫です。
 そのままの谷先生こそが、腐女子の腐った心根を満たすのです。
 はらしょー。

 何度も通えとは言わないが
(だって、いくら素敵な攻と受と言っても、八五郎青天だし、貧ちゃん小汚いし。)
 一見の価値はあります。
 腐女子で蘭トム攻派には必見と言って過言ではなかろうかと。

 また、蘭トムが谷鬼畜に似合っててねえ。

 なみだ橋えがお橋に続く人情噺第2弾。
 なみだ橋えがお橋に続いて、主人公迷惑男です。
 
 なみだ橋は好きな女を不幸にして死に追いやろうとした上に詐欺師になるサイテー男でしたね。
 くらわんかでは、サイテーなだけでなく、鬼畜になってます。
 
 もう、八五郎サイテー。

 働かないで、何度も嫁に逃げられて。
 なのに、働く気もないのにまた嫁をもらおうとするし。
 家賃も払わず、小銭の借り倒しで糊口をしのいで。
 御馳走がなければ、目が不自由な総菜屋をだまして御馳走を手に入れようとするし。
 自分のために友達が御馳走を用意してくれようとしてるのに、えらそうに指図するばっかりだし。

 まあ、落語だから。 
 お笑いで許されてる話だったんだろうけどさ。

 谷先生の手にかかれば、なんて事でしょう。

 世にもサイテーな迷惑不幸まき散らし鬼畜男にしか見えませんよ、八五郎。

 しかも、何が素敵って、きっと谷先生は八五郎の事を人情あふれる良い男だと思って書いてるんだろうなあと想像できるあたりでしょうか。
 きっとそうだと思うの。
 だって、貧ちゃんが八五郎にほれてるじゃない。
 なんでか友達も多いし。
 
 谷先生にとって無能鬼畜八五郎は、頼れる素敵な兄貴なんだわ。
 
 きっと、谷先生は八五郎がいたら、貧ちゃんになって尽くすんだわ。
 八五郎が極悪非道な怠けモノだなんて、谷貧ちゃんは気がつかないの。
 自分を利用して食い物にはしてるけど、それでも自分を受け入れてくれてる八五郎に激ラブで、尽くしまくるんだわ。
 うっとり。

 素敵です、素敵です、谷先生。
 谷先生の書かれる作品から読み取れる谷先生のお人柄にいち腐女子として恋せずにおられません。

 ああ、どうか、今の純粋なままの谷先生でいて下さい!
 ラブらぶ、激ラブ。
 大好き谷先生!

 ああ、力説しちゃったわ。

 素敵ですよ、くらわんか。
 にこにこ。

 ☆

 さて、3日に花バウくらわんかを観劇いたしまして。
 客席にのぞみちゃんとさららんがいました。
 ふふふ、客席に生徒がいると得した気分。

 ていうか、え?
 何?
 たった二日しかないお休みを二日とも、二人で観劇してたの????
 同期なのは知ってたけど、そんなに仲良しだったんですか、あなた方!

 昨日もたもたしてのぞみちゃんに遅れたからでしょうか。
 今日のさららんは終演後必死に通路をあがって出口に向かってました。
 そして、そんなさららんの背中をまだ客席にいるのぞみちゃんが見つめてました。
 な、なんてテンポのあってない。

 のぞみちゃんかさららんか、どっちかもう少し見れたらラッキーと思ってロビーに出て階段上でぼけっとしてたら、のぞみちゃんが追い付いたらしく二人いっしょに歩いてる所が見れました。
 らっきー。

 そうかー。
 二日続けていっしょに観劇かー。
 かわいいなー。

 ・・・なんでだろう・・・。

 すごくええもん見たのに、見てるのに。
 見栄えもすごくいいツーショットなのに。
 なんでこんなに沈黙してるの私の腐女子センサー。
 かわいいなーとしか思わないのはなんでだ私。
 はてはてはてな。

 二日連続でのぞみちゃんとさららんを見れて、眼福がんぷく。

 だけど、別に二日続けてなんて贅沢言わないから、一目ナマえりりんを見たかったかな〜〜。

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