人を計る物差

2006年4月19日 友達
 新しくアシスタントさんに来てもらった時、私は決まってある事を言う。
「あなたの一番好きなお勧め漫画を貸して下さい。」
 どんな漫画をイチオシしてくるかで、そのアシスタントさんの事を知るとっかかりにしようと言うわけだ。

 ぴちぴち18娘だった地の子が持って来たのがなんと「銀色の髪の亜理沙」だった。
 
 まだ来てもらって2年目なので変わらずぴちぴち猩紅ちゃんの好きな漫画は「ゲゲゲの鬼太郎」だった。

 まぎいさんに「庭のところに来る若い娘の好きな漫画というのはそういうもの(どういうもの?)なんだね」とコメントされたのを覚えている。

 そーいや、アニメにもなってるようなキラキラ少女漫画を持って来てくれた子は続かなかったなあ。

 どんな本が好きなのか。

 それは私がその人を知るための物差だ。

 ☆

 さて、友達に恋人ができました。
 ブルー。
 友達に恋人が出来たくらいの事が、なんでこんなに私をブルーにさせるのか。
 ブルーブルーブルー。
 
 恋人ができたと最初に教えてくれたメールの彼氏の情報は
「京極夏彦読んでる。」
 ?
 わ、わかんないよ?
 どういう意味?

 友達に直接会った時に
「そんでその人どういう人?」
 と聞いたら
「それがねえ・・・
 グインサーガ続いてる人なんだよ。
 すごくない?」
「え?
 それは、グインサーガを買い続けてるって事?
 読み続けてるって事!?」
「読んでるんだよ!
 最近は作者の趣味が出てて読むのが辛いって言いながら、買ってるの読んでるの!」
「作者の趣味と言いますと・・・」
「やおいの事だと思う。
 やおいは苦手らしい。」
「そうか・・・
 すごいな。
 やおい苦手なのに続いてるんだ。
 なんか、グインサーガ続いてるってだけで、一つ事を始めたら投げ出さない人だってのがわかるね。
 忍耐力とか持続力とかある人だね。
 苦手なものがあっても、投げ出したりしないんだ。
 すごいなあ。
 グインサーガ続いてるってだけで、彼氏の人となりが見えてくるよ。」
 うんうんと友達はうなづき、彼氏の読書の趣味について語るのだった。
 ちなみに最初の「京極読んでる」は訳すと「オタク」らしい。

 ふと、思う。
 友達も読んでる本で人を計る人だとは知らなかった。
 いや、そういう会話は過去にあったと思うけど。
 恋人の事を友達に説明するのに最初が「京極読んでる」で次ぎが「グインサーガ続いてる人」。
 長く友達やれてると思ってたけど、人を計る物差に同じものを使ってるとは思わなかった。

 こういう所が友達なんだろうか。
 
 彼氏が友達の事を彼氏の友達に何と言うているのか知りたいものだ。

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