朝、母がうちの草むしりをしていた。

 母に言っておかなくては。
「お母さん、ササギをとっていないのは蜂がむれてて恐かったからです。」
 ササギをとっていないと母が食べんのか食べんのかとうるさいので言うておく。
「ササギ(食べる分)ないん?」
 と母が問うので
「いえ、蜂のすきをついてちょっとはとっているので、今日食べる分はとってあります。」
 と答えた。

 午後、母は左手に母の家のササギをとって持ってきた。

 そして母の右手には今とったばかりのうちのササギ。
 百姓育ちの母にとってはササギに群れる蜂などなんでもないようだ。

「ササギが無い言うけえ持ってきたけど、姉ちゃんちにもぎょうさんなっとったわあ。」
 ササギが無いなどと言った覚えはないのだが。

「お母さん・・・
 それ、両方置いて行かれても食べきれないから、どっちか持って帰って下さいね。」
 母の帰宅後、台所にはうちで取れたササギが置いてあった。
 スーパーの袋に入れて冷蔵庫に入れようとした私がそこに目にしたものは。

 母の家でとれたササギだった。

 お母さん、持ってきたササギは冷蔵庫に入れて、うちでとったササギは放置してあったのは何故でしょうか。
 まあ、母の行動に理由などないんだろうが。

 ササギ・・・。

 料理しやすいし、美味しいけどさあ。

 美味しいけどさあ!

 おがあぢゃん・・・・。

 

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