大晦日

2008年12月31日 日常
 2008年をおおまかに振り返ってみる。

 仕事はありがたい事に順調でした。

 今年も漫画で口を糊する事ができました。
 何よりの幸運です。

 どうかこのまま、来年も続けて漫画で食べていけますようにと思います。

 2008年に私の漫画が掲載された雑誌は62誌。
 
 もちろんほとんど再録ですが、読者様のお目にとまる機会をこれほどいただけたのはありがたい事です。

 業界全体からみれば、再録ばかりと言うのは不況のあらわれではあるのですが、個人的にはたくさん再録していただけたのは嬉しいばかり。

 
 今年は取り引き会社の倒産が無くてなにより。

 2007年のあおば出版の倒産では書き下ろし2作と再録3作の原稿料が未払いになりました。
 あれはきつうございました。

 なので、今年、使っていただいてるどこの会社様も倒産なさらずに原稿料もきちんと決まった日にお振込があっただけで、すごい幸運だと思えます。

 この不況だと、いつどこの出版社からの原稿料の遅延が始ってもおかしくないもの。

 出版社がつぶれなくても、雑誌の廃刊休刊なんていつ起きても不思議でないもの。

 そんな世の中でどうにか一年無難にすごせたこの幸運。


 仕事の中味としても、かなり描きたいものを描きたいように描かせていただけました。

 銭花ものも描けたし、来年も描かせてもらえそうだし。
 銭鬼のシリーズを描き始めたけど、わりと自分では気にいってますし。

 ただ、一つだけ今年仕事の上で辛かったのは、大好き有能担当編集様が定年退職なさった事でしょうか。

 今度の誕生日で定年退職するんです。

 とお電話いただいた時は本当に血の気が引いて目の前が真っ暗になったようでした。

 先のあおば出版倒産の時には、倒産の前に原稿料遅延とかの前触れがあったので「ああ、いよいよダメか〜」と心の準備が先に出来てたんですが。

 ある日突然の定年退職のお知らせは大変仰天いたしました。


 漫画家が編集さんに頼り切るのは間違ってると思います。

 漫画を面白くするのは、誰より漫画家の責任だと思います。

 でも、世の中には有能な編集さんと無能な編集さんがいて、当然どちらの編集さんとお仕事した方がいい漫画が描けるかと言えば前者です。

 充分な執筆時間と要所をおさえた的確な助言を与えて下さる編集さんとごいっしょに全力以上の力を尽くして仕事できる事のなんと素晴らしい事か・・・・!

 今年定年退職なさった編集さんは、過去に私がお仕事いただいた編集さんの中でもひときわ輝いて有能なお方でございました。

 会社を変わるとか、編集部を変わるとかなら、まだ希望はあるんです。

 変わった先の編集部でまた使ってもらえる希望があります。

 でも、定年退職されてしまっては。

 見開きベタバックを背負って無言になるしかのうございます。


 担当さんの定年退職を体験するのはこれが初めてでした。

 別れもあったけど、いい出会いもあったのかもしれないなと思います。

 有能な方との別れをなげいてばかりいないで、私の方こそが編集さんから求められる有能な漫画家にならねばなりませんよね。

 と、頭でわかってても、じっさいはむずかしいんですけども。




 仕事以外では。

 
 今年一番の出来事は6月のガングリオンの手術でした。

 大した病気ではないんだけど、手術後一ヶ月ほど漫画が描けなかったのが辛かったです。
 一ヶ月くらい休めるくらいの貯えはあったので大丈夫だと思ってたんですが、仕事をしないと言うのは暮しがたつたたないとは別に、精神の安定に大きくかかわるんだなーと思います。

 病気と言う理由もあって、後にもちゃんと仕事の予定もあっても、それでも、一ヶ月仕事をしないと言うのが私にはかなりこたえました。

「仕事をしない」のが辛かったのか「漫画を描けない」のが辛かったのか、そのあたりの区別は自分でも微妙なんですが。

 私は働きすぎてもダメだけど、働いてなくてもダメなんだなあと思った出来事。



 他はとりたてて何もなかったかな。




 今年はかなり遊べた気がします。

 月に1〜2回は観劇に行ってるし、観劇に行けば友達とも会えますし。

「ベルばらやるよ〜」
 と誘ってオタ友を一人観劇に誘いこめたので上々。
 
 ディズニーシーに何故か今年2回も行った謎。

 ていうか、今年4回も上京してる謎。

 映画は最近行ってないけど、忙しいって言うより、特に観たいのがないからだし。
 今年は映画も「映画みれなかった〜」って泣き言言わない程度にはみれました。

 ゲームは全くできなかったし、読書の時間は思うほどとれなかったけど、TVドラマはかなり観られた。


 わりといい一年、だったのかも。

 
 来年もこんな感じだといいな。


 今年はみなさま、色々ありがとうございました。







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