雪組ソルフェリーノの夜明け観劇して来ました。

 どっから突っ込めばいいのか!(突っ込まないと言う選択肢もございますが)

 たぶん観劇した人ほぼ全員が突っ込まずにおられんところは言わせていただきたい。

 エクトール先生なんでそこで着替えるの!(困惑)(爆笑)(ため息)

 包帯も医薬品も不足している野戦病院で目の覚めるようなエメラルドグリーンのスーツを
「いつかアンリエットとデートの時にはこれを着るんだ」
 とかほほ染めてしまい込んでおったのだろうか。

 酔いどれじい様に恋愛について説教されてしまってるエクトール先生。

 そのあまりの恋愛力の無さはいったいどうした事だ。
 
 看護婦達が陰で噂してるのが聞こえてくるようだ。
「・・・あれは・・・ナイわ。」
「ナイナイ」
「エクトール先生、いい人なんだけどね・・・」
「よりにもよってあの色」
「あそこで笑わなかったアンリエットってすごいよね」
「アンリエットの女力を見たわ」
「ハーベルマン先生もわかってないよね。
 あの二人が上手くいくためにはエクトール先生に何か言うより
 アンリエットにどれだけエクトール先生がお金持ちかを語った方が
 効果あるのに」
「ちょ、あんた、それ言っちゃ・・!」
「え?」
「それに比べてデュナンさん。
 あの人もすごいわ」
「ああ、相手の手を一々握って、相手の目を一々見つめて話すよね」
「あれで口説いてるつもりがなさそうなのが・・・ねえ・・・」
「男どもはあれで次々陥落してるよね」
「でもあの人、ずっと教会にいるけど、いいの?
 仕事とか家族とか。
 誰からも迎えがないって、つまりはいなくていい人って事?
 ここでも医者なわけでもないから雑用しかしてないし」
「ちょ、あんた、それ言っちゃ・・!」
「え?」
「そうねー
 いきなり旅先でボランティア始めても家族も心配して来ないし、職場からも帰って来いって言ってこない人じゃあ、医者のエクトール先生に比べるとちょっとねー。」
「でもほら、いくら顔がよくて医者として優秀でもさあ・・・
 これから戦場のまっただなかを命がけで患者を運ぼうって時に
 エメラルドグリーンのスーツに着替えて愛を語りに来る男ってどうなのよ!」
「・・・しかもなんか歌ってたしね・・・」
 無言の数秒。
「いい人、なんだけどねえ・・・・」


 植田(紳)先生はもういっそ恋愛描くのやめたらいいと思う。
 植田(紳)作品においては「義理人情」「主義思想」を描いてた方が「恋愛」を描いてるよりずっとずっと完成度が高いと思うんですよ。
 ソルフェリーノもエクトール先生のお着替えが出てくるまでは
「植田(紳)作品の中ではトップクラスの出来映え」
 だと思ってました。

 カサブランカを見た時に
「この短い話をよくぞこの大作に仕上げたものだ!」
 と思いました。
 だが、ソルフェリーノはそれどころじゃないです。
 短い話どころか、アンリ・デュナンが戦場つっきって患者を運んだって言う、そんだけのエピソードだけで1時間半の芝居をこしらえているんだもの。
 すごいよー。
 
 結局エクトール先生がアンリエットにラブなのはわかるけど、アンリエットの真意はわからないままだし。
 主人公は全く恋愛してないし。
 恋愛してないっていうか、愛憎が全くないお話でしたし。
 投入しようと思えば愛憎要素も入れられたと思うんだけど、いれてませんでした。
 恋愛も愛憎も、大きな話の流れもなくて、ただ一つのエピソードのためにいくつかのエピソードをそわせて1時間半の話に仕上げている。
 これはもう、とにかく「盛り上げる力」のみで乗り切っていると言っていいんじゃなかろか。

 ところで先の星公演を見た時にも
「主題歌しつこなー」
 と思ったんですが、今回は星公演なんか比べものにならないくらい主題歌リピート率高かったです。
 主題歌をくどく、って言うのは最近の流行か何かなんでしょうか。

 

コメント

nophoto
hanihani
2010年2月10日15:01

主題歌をくどく耳につくまで! というのが今年の三大目標の一つなんじゃないかと思います。
「花の道から」に公平氏がK音楽賞を選べなかったのが寂しいとか、昔のように帰り道では主題歌を歌いながら帰りたいとかおっしゃってたような気が。

で、早速理事長はその旨、年初めに全員に徹底させたに違いないと踏んでます。

ああ、来週には私も主題歌が耳につくのか・・・

庭りか
2010年2月10日20:14

 やはりそのような考えがあっての主題歌だったのですか。
 ここまでしつこく繰り返さなくてもと思うくらい繰り返してました。
 
 主題歌が繰り返されたからって完成度があがるとも印象が深まるとも思えないんですが、何か良い効果があるといいですね。

nophoto
めい
2010年2月12日1:50

庭さんのご感想を拝見して、俄然観劇が楽しみになってきました(笑)

庭りか
2010年2月12日2:03

それはようございました。
・・・ごめん・・・。