母なる証明

2011年7月11日 映画
 韓国映画。
 テレビ雑誌のあらすじを読んで
「冤罪の息子の無実を証明しようと奔走する母親の話か」
 と思い込んで録画して観たんですが、違ってました。

 観るんじゃなかったかも。

 緻密に練り込まれた構成、見事な伏線の数々。
 素晴らしい演技力。
 完成度の高い一見の値打ちのある映画だと思います。

 でもあまりに酷いよ。
 この映画で表現されているのは人間の愚かさと醜さ。
 この女は母親だから子供を守ろうとして奔走してるんじゃない。
 己の罪を誤摩化そうとしているだけだ。

 そもそも息子が警察に捕まる理由はあいまいで彼の知能が幼い事が原因だと思われる。

 息子は記憶力が乏しく、記憶があいまいだ。

 母親は息子の無罪を信じ
「思い出せ」
 とせまる。
 息子が思い出したのは母親に殺されそうになった記憶。
 昔母親は息子と無理心中を計って、息子に農薬を飲ませた事があるのだ。
 
 もしかして、息子の知能が幼くなってしまったのはこれが原因なのではないの?
 
 全ては無理心中などと言う言葉で世の中では誤摩化されている子殺しの犯罪から始っているのではないの?

 息子は母親がこしらえてしまったモンスターだったのではないの?

 面白いんだろうな、とは思います。
 こういう黒い話が好きな時期は誰にも有ると思うし、年齢関係なくこういうのが好きな人もいるとは思う。
 どんでん返しも見事で、私もつい引き込まれて観てしまいました。
 まず犯人が誰かのどんでん返しがある。
 母親は息子の記憶があいまいで、息子は何もわかっていないと思ってるらしいが、息子が全てを見抜いていたらしい場面もある。
 そしてラストはここでこうくるかと思われる伏線の拾い方。
 この映画を作った人は天才かもしれない。

 でも、ただただ辛い。
 人間の存在が気持ち悪くすら思えてしまう。
 何の救いもない話。

 完成度の高い話だし、観て損もなかろうけど、わざわざ時間やお金使って辛い思いする事もないと思うから観なくていいかもですよ。

 ちょっとこれは観てしまったけど観るんじゃなかったなあ・・・。

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