大地の子エイラシリーズ、ようやく読了。
 長かったー!
 全6部、各3冊の大長編です。

 集英社版だと上下巻の時もあったようだけど、私は上中下巻で発行された評論社版で読み始めてるので、18冊読んでます。
 第一部を読んだのは中学の頃学校の図書室で。
 その時は第一部しか出てなかったんだったかな。
 その後忘れた頃に図書館で第二部以降を見かけては読んでました。
 全部で6部の構成で、まだ最後まで書かれてなくて翻訳もされてないのは、最初の頃の後書きか解説かで知ってました。
 まさか第一部の発行が1983年で第六部の発行が2013年だなんて長丁場になろうとは。

 人類の少女が毛むくじゃらの旧人類に育てられる話。
 クロマニョンとネアンデルタールとして書かれてるのかな?とは思うけど、読む時のイメージでは金髪の白人少女をイメージして読んじゃった。

 5歳になったばかりの人類の少女エイラは地震でただ一人生き残ります。
 そのままだったら死んでたであろう彼女を拾って育てたのが旧人類の薬師の女。
 女の兄は呪い師。
 毛のない醜い子供は旧人類の中で蔑まれ、虐められて育ちますが、薬師と呪い師の育て親から愛情深く育てられます。
 
 もう、上手いよね!
 醜いアヒルの子って言うか、自分と違う種族の中で育てられてるから、虐められるって設定なんだけど、エイラは後に出会う人類の中ではちゃんと魅力的な少女なんだよ。
 で、育ててるのが薬師と呪い師だから、薬草の知識とかを教えられる。
 この知識が後に人類と暮らす時に彼女の値打ちを大いに押し上げるわけですよ。
 お金の概念の無い時代、本人の知識教養はそのまま社会的地位と言うか立場に直結。
 人類は旧人類を猿だと思ってるから、そんな知識があるなんてって驚くわけです。

 旧人類から結局は虐められて追出されて、一人さまようエイラ。

 でも、知識があるからなんとか一人で住まいを整え狩りをして植物採集して暮らします。
 この下りは「サバイバル」やペリーヌ物語でペリーヌが一人で暮らしてるあたりの描写にわくわくした方ならたまらんと思う。

 そんで、一人が淋しいからライオンや狼や馬を育てて仲良くなるんですよ。
 これが後々、狼や馬を操る女って事で、人類の中に入った時に一目置かれる理由になります。

 もーねー。

 おーもーしーろーいいいいいいいいいい。

 作者はものすごく古代人類の研究をして書いてるらしく、動物の狩り方とか、内蔵の有益な使い方とか、狩猟のみで農耕もしてない人々の暮らしぶりを細かに描写してて(実のところ、想像で書いてる所が多いのだろうけど)面白い。

 エイラは植物採集して食事を整えるのが上手いんだけど、彼女の食事が美味しいだけで彼女は人気者です。
 悪人にさらわれた人を助けに行くのにもごちそう作って持ってけば、食べたいばかりに招かれるのです。

 それと麻薬も出てくる。
 呪い師が特別な時にしか使わない特別な根の汁ってのがあって、これによって要所要所でエイラは大変な目にあいます。
 汁の力だってわかってても、彼女達はそれを女神や精霊の力によって霊界を歩いて来たって解釈しちゃうのな。
 
 全六部って早い内から発表されてたから、これで終りなのかなー。
 もっと続き書いてくれないかな。
 
 書店に並んでるかどうかは怪しいけど、図書館に行けばあると思います。
 福山の図書館にはあるよ。
 
 ちゅんごいおもちろいのーーーー

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