氷水

2015年7月8日 日常
 うちの母は夏には麦茶を炊いて(母は炊くと言う。愛知の方言だろうか。)冷やす人でした。
 ですが私は夏になると氷水が飲みたくなります。

 小学生の頃私は夏と冬の休みは一人で新幹線に乗って名古屋に行ってました。
 名古屋駅に着くと伯母が迎えに来てくれていて、半月か一月か長い休みを伯母の家で過ごしてました。
 伯母の家が格別裕福だったわけでなく、どっちかっていうとうちとどっこいの貧乏だったと思うし、祖父母の居た伯父の家の方が巨大だし金持ちだししたんだけれども、私は伯母の家で過ごしていました。
 伯母の家には一つ上のTちゃんと一つ下のKちゃんが居て、まだ妹の生まれる前一人っ子だった私は姉妹のようにTちゃんとKちゃんが大好きだった。
 
 伯母の家では夏の飲み物は魔法瓶に作り置きした氷水でした。
 私とTちゃんは飲むばかり。
 無くなったのに気付いたKちゃんが
「もー。
 無くなったら作ってよ。」
 と怒りながら作り置きしてくれる氷水を真夏の名古屋でがぶ飲みする私とTちゃん。
 私とTちゃんは悪ガキでKちゃんは優等生。
 伯父と伯母は仕事で留守で、二人の従姉妹とその友人達と遊び回っていた子供の頃は、当時はTちゃんと喧嘩ばかりしていたので(そして喧嘩ばかりするわりには二人で組んでKちゃんに面倒を押し付けると言う本当に悪い子供であった)夢のように楽しかったとかそんなんじゃないんだけど。
 従姉妹の家、本当にうちとどっこいの貧乏だったし、伯母さん怖かったし、なんで私休みの度に一人ではしゃいで伯母の家に突撃してたのか謎なんだけれども。

 近年風呂上がりに氷水を飲みながらKちゃんの事を思い出すようになりました。
 色黒のTちゃんとデブの私と、美人のKちゃん。
 結婚の時にはKが玉の輿に乗った、Kが幸せになれると親戚達が喜んだKちゃん。
 台所に氷水を絶やさなかったKちゃん。

 なにぶん距離があるので愛知の親戚とも疎遠ですが、Kちゃんは玉の輿に乗った今も夏には魔法瓶に氷水を作っているのかなあ。

 

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