老母のこの頃

2019年10月20日 日常
 前日うっかり夜更かししてネムネムな漫画家のところへいつも通り突然現れる母。
 手にはピーマン。
「お母さん、うちの冷蔵庫には前にもらったピーマンがまだありますし、うちの庭のピーマンも収穫しなきゃと」
「あげる!」
 通常運転の母。
「あのな〜
 姉ちゃん今ヒマ〜〜?
 お願いがあるんじゃけど〜」
「とっとと言ってください。
 何?」
「しまむらで毛糸のパンツ買って欲しい」
「これからしまむらに行けばいいの?
 着替えて戸締りしてくるから」
 と立ち上がろうとすると始まる母の話。
 お腹が痛くなったので病院に行った。
 冷えたんでしょう、暖かくしてくださいとお医者さんに言われた。
 なので昔長女に買ってもらった毛糸のパンツを履いてみたのだが、ゴム部分が緩い。
 新しい毛糸のパンツが欲しい。
 要約するとこれだけなんだが。
 話なげえな、母。
「じゃあ着替えて戸締りしてくるから」
 と立ち上がろうとする私。
「しまむらでヒートテック買うてえな〜」
・・・・・・・・・。
「お母さん、ヒートテックが欲しいんですか?」
「うんうん」
「ヒートテックはユニクロです」
 小首傾げて無言の母。
 母が欲しいのがユニクロの商品なのかしまむらの商品なのか、確認のための会話。
 毛糸のパンツは昔私が買ったらしいが、全く覚えてない。
 その日は日曜。
 都会のユニクロは知らないが、田舎のユニクロの土日の混雑具合はかなりなものだ。
 福山市民みんなユニクロ着てるのか?と思うくらいユニクロの買い物客は多い。
「じゃあお母さん、今日はしまむらに行ってみましょう。
 欲しいものがなかったら泣きながら帰ってまた別の日にユニクロに行きましょう」
 老母は老人なので、1日に行けるお買い物のお店は一件だ。
 二件行ってもいいけど、そうするとたぶんヨロヨロになる。
「いや、ヒートテックがいい!」
「ユニクロ?」
「ヒートテック」
 母はユニクロという店名が覚えられないようだ。
 ちなみに母はダイレックスという店名も覚えられない。
 私が俳優女優の名前を覚えられないのはきっと母からの遺伝だろう。
 私は悪くない。
・・・・日曜のユニクロ、行きたくねえなあ・・・・・・。

 母にお金持たせて一人で行かせました。
 行けるよ。
 老人だけど成人だもの!
 
 ちょっと心配になるくらい時間かかりましたが、母は一人で買い物してきました。

 もちろん、帰宅後は買ったものを全て私に見せた上で、店員さんが親切でああしてくれたこうしてくれたと店内での冒険の一部始終を私の仕事場で座り込んで語りたいだけ語って行きました。

 母は元気です。

 私は仕事が遅いので、ネームやり始めて後半からと作画始めてペン入れ半分過ぎたあたりからはヨロヨロです。
 元気な時に母に言ってます。
「いるものない?
 私の都合のいい間に母のいるもの買いに行っておきたいんだけど」
 でもなぜか、母が何か欲しいものがあって私と買い物に行きたくなるのは私がヨロヨロの頃。
 
 ⭐︎

 ピーマン食べ飽きてきたなあ・・・。
 食べ飽きてはきたけど、何か家に野菜があると食卓はどうにかなるのでありがたい。
 美味しいんだけど、家で育ててると食べても食べてもなくならないんだよなあ。

 ⭐︎

 十二国記の新刊出ましたね。
 今までの話がうろ覚えなので、自宅押し入れを捜索。
 もう処分したかと思ってましたが十二国記を数冊発見。
 これを読んでから新刊買おう。
 ツイッター見てると、今出てる2巻まで読むと続きが気になってたまらないらしいから、来月全巻出てから読んだ方が良さそう。



 自分好みの読みたい本が詰まってるので、うちの押し入れありがたいのはありがたいんだが・・・・・。
 燃えるゴミに出すのがしのびなくて押し入れに本突っ込んでるんだけど・・・・。
 整理整頓しきれない本って邪魔なんだよなー。

 捨てる勇気が欲しいような、欲しくないような。


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